消化器外科(外科)

中小規模病院で県内1位の実績をもつ「傷の小さな大腸がん手術」

読売新聞医療部編『病院の実力2017総合編』

辻仲病院グループは、大腸肛門病の専門病院として、開設以来30年にわたり「がんの治療」に携わっています。大腸内視鏡検査により発現された大腸がんの開腹手術に始まり、辻仲病院柏の葉では、最先端の技術である「傷の小さな手術(腹腔鏡手術)」を積極的に実施しています。

大腸がんについては、がんセンターや大学病院を含めた千葉県内の全ての病院の中で11位に入る豊富な治療実績があり、300床未満の中小規模病院に限れば県内1位となります(読売新聞医療部編、『病院の実力2017総合編』、110ページ「大腸がん」より)。

腹腔鏡手術には技術認定医が立ち会い

当院には、大腸を専門とする外科医が多数在籍し、その数、質ともに大学病院にも匹敵します。専門病院という特性から、研修医は常勤採用しておらず、全ての手術を外科の経験を積んだ医師が担当しています。

特に、腹腔鏡については、難関とされる「日本内視鏡外科学会 技術認定医」が2名、「日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医」が1名在籍しており、外科及び婦人科の腹腔鏡手術時に必ず立ち会う体制を確立しています。

また、外科の指導医・専門医も在籍しており、大腸がんだけでなく胃がんや胆石、胆のう炎、虫垂炎などの手術にも対応しています。鼠径ヘルニアについては、最新の治療方法である「腹腔鏡下ヘルニア根治術」を行っております。

常勤医によるグループ診療

当科の外来診療は、必ず常勤医が担当しており、定期的な通院治療が必要になった場合も、常勤医師間で申し送りを行い、ご希望の日時に通院していただける体制となっています。症状によっては、急な入院にも対応可能です。

入院診療は、原則として主治医制ですが、定期的にカンファランスを開き、診断や治療方針について常に相談しながらグループ診療を行っています。当院は、卓越した腹腔鏡手術を通して地域に貢献していきます。

主な診療対象

  • 大腸がん
  • 胃がん
  • 鼠径ヘルニア
  • 胆石症・胆のう炎
  • 虫垂炎
  • 腸閉塞
  • 大腸憩室炎・憩室出血
  • 炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎、クローン病等)に対する外科的治療

診療の特徴

日本外科学会 外科専門医制度修練施設

日本消化器病学会 認定施設

腹腔鏡手術の豊富な実績

当院の特徴は、辻仲病院グループ全体で多数の内視鏡検査を行っていることから、必然的に大腸がんの手術件数が多いことです。

肛門疾患で知られる当院では、全身麻酔の手術はしていないと思う方も多数いらっしゃいますが、実は肛門疾患以外の外科手術に関しても地域に貢献している病院です。

腹腔鏡手術が多い点も当院での特徴のひとつです。ほとんどの大腸がん手術を腹腔鏡で行っており、他の良性疾患手術(鼠径ヘルニア、胆石症、虫垂炎、骨盤臓器脱など)を含めると年間約250件(2016年度実績)を腹腔鏡手術で行っていることになります(ただし、無理な適用はせず、必要があれば開腹手術を選択します)。

腹腔鏡手術のメリット・デメリット

腹腔鏡手術とは、皮膚に5mm~12mmほどの小さな穴を数か所開け、内視鏡の一種である腹腔鏡カメラと、専用の手術器具をお腹の中に入れて行う手術です。

腹腔鏡からの画像をビデオモニターに映し出し、それを見ながら医師3名ほどのチームで手術を実施します。使用する器具が違うだけで、お腹の中で行うことは開腹手術と同じです。

腹腔鏡手術のメリット

腹腔鏡手術は傷が大幅に小さくなるため美容上に優れており、当然、術後の痛みも少ないです。術後の痛みが少ないことは呼吸や運動がし易いことに繋がり、手術後の経過も早いことにつながります。

当院の入院期間のモデルケース(表)
腹腔鏡下大腸がん手術 1週間~10日
腹腔鏡下胃がん手術  10~14日
腹腔鏡下胆のう摘出術 4~7日
腹腔鏡下ヘルニア根治術 1~3日

腹腔鏡手術のメリットは傷に留まりません。拡大視効果により、肉眼では認識しづらい構造物を認識することで、出血の予防、神経温存による膀胱機能の温存など多数のメリットがあります。

腹腔鏡手術は、医師にもメリットがあります。開腹手術では見えないところを手の感覚を頼りに切除している部分も、カメラで見ながら手術するので、術者として安心感があります。

さらに、テレビモニターにより同じ術野を全てのスタッフで共有できるため技術の向上、標準化などのメリットもあります。

また、手術動画を撮影できるので、近隣のがんセンターなどと勉強会を通して技術交流もでき、術者の一人よがりの手術に陥らないように常に気をつけることもできます。

腹腔鏡手術のデメリット

腹腔鏡手術自体には特にデメリットはありませんが、習得に時間がかかるため、一般的に術者の技術の差が大きいと言われています。

当院では、中小規模病院としては異例に豊富な症例数があり、担当医一人あたりの症例数を多く確保し、技術の質を維持向上することが出来ています。

腹腔鏡下ヘルニア根治術

当院では、最新の治療方法である「腹腔鏡下ヘルニア根治術」を行っております。再発率、疼痛などの点で非常にメリットのある治療法と考えております。

鼠径ヘルニアとは

鼠径ヘルニアとは

鼠径とは足の付根を指し、ヘルニアとは飛び出るという意味です。つまり、鼠径ヘルニアとは足の付け根に飛び出るものがあることを意味します。

なぜ、このようなことが起きるのかというと、足の付け根には、お腹の外にある組織への血流などがあり、この部分の筋肉だけが弱くなっているためです。具体的には、足への血管、精巣への血管、精子の通り道が通るために筋肉が弱く、トンネルができています。

このトンネルが、負担や加齢などにより弱くなってしまい、お腹の中の臓器が飛び出してしまうことがあり、これが鼠径ヘルニアの病態です。腸管が脱出することがあり、脱腸という別名でも知られております。

鼠径ヘルニアを治療する理由

鼠径ヘルニアを治療する理由

鼠径ヘルニアを治療する理由は2つあります。

1点目は、そもそも脱出した状態では違和感があり生活の質が落ちることがあります。痛みを伴う方もいて、術後に疼痛が改善したと喜んでいただくことも多いです。

また、出ているだけでは特に問題ないと思われる方もいますが、実際には脱出の違和感が強く、運動するのが億劫になって、生活の質の低下に繋がることもあります。

2点目としては、そもそも命に関わる場合があることがあげられます。先述した脱腸の状態で戻らなくなることを陥頓(かんとん)といいます。

陥頓した際に腸の血流が悪くなることがあります。その場合は命に関わることがあり、緊急で腸を切除するような手術が必要になります。

鼠径ヘルニアの治療法

鼠径へルニアをインターネットで調べると、ヘルニアバンドなどに行き着くことがあるかもしれませんが、ヘルニアバンドでは鼠径ヘルニアは治りません。腹圧や加齢に伴い筋肉が脆弱になったものなので、筋肉の補強をしない限り治すことはできません。

また、鼠径部の筋肉を強化することはできず、筋トレしても腹圧がかかるので増悪するだけです。したがって、手術で筋肉の補強をする以外の治療はありません。

鼠径ヘルニアの手術法

鼠径ヘルニアの状態を一見すると、脱出した部分を切除すればよいと思われるかもしれません。しかしながら、脱出は筋肉の脆弱による結果です。したがって、手術の要点はどのように筋肉を補強するかにあります。

1884年にBassiniにより、初めて鼠径管の修復を行う手術が行われました。これを従来法といいます。従来法は人工物を入れないというメリットがあるものの、10%以上と高い再発率があること、疼痛が強いこと、安静が必要なため入院日数が長いことから、現在ではあまり積極的には行われておりません。

1956年にメッシュ(人工物)を用いた手術が開発されました。これをテンションフリーといいます。無理に筋肉を寄せないため、疼痛も少なく、入院も短期で済みます。特筆すべきは3~5%程度に再発率を低下させることができたことです。多くの施設で導入されており、標準的な手術といえます。

その後、1993年に「腹腔鏡下ヘルニア根治術」が行われました。お腹の中から筋肉の脆弱による穴を確認しながらメッシュを固定できるため、再発率を1~3%へ減らすことができました。また、切開創も小さく、疼痛も更に少なく、ほとんどの方は手術翌日に退院します。

腹腔鏡下ヘルニア根治術について

腹腔鏡下ヘルニア根治術について

腹腔鏡下ヘルニア根治術は腹部に3か所の5ミリ程度の傷をつくり、腹腔鏡(カメラ)でヘルニアの状態を観察しながら修復する手術です。当然、傷が小さく、痛みが少ないことはメリットです。加えて、通常の手術では目視しづらい、筋肉の脆弱化した穴を確認しながら手術することもできます。

腹腔鏡下ヘルニア根治術について

右図のシェーマには、実際には3か所の脆弱な穴があります。通常の手術では、これらの穴は目視せずに、感覚で塞ぐことになります。そのためにメッシュがしっかりと穴を塞いでないことがあり、再発に繋がるものと考えられています。

腹腔鏡下ヘルニア根治術について

右図のシェーマのように、内側からしっかりと目視で確認しながら、3か所の穴をメッシュでしっかりと塞ぐことで、将来的な鼠径ヘルニアの予防もおこなっています。当院では、この方法が一番安心な手術方法と考えて、積極的に行っております。


診療実績

消化器外科(外科) の手術件数

手術 2016年 2017年 2018年
大腸がん(腹腔鏡) 104 81 52
大腸がん(開腹) 5 3 8
胆石症・胆のう炎(腹腔鏡) 18 24 23
胆石症・胆のう炎(開腹) 12 3 7
潰瘍性大腸炎・クローン病 6 9 15
大腸憩室炎・憩室出血 13 30 40
腸閉塞 2 2 2
虫垂炎 9 4 5
合計 169 156 152

担当医

 

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